担当:寺嶋
参加者:9名
教科書:ヒトの分子遺伝学
教科書:ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<14.1節>組換えの種類と遺伝距離や遺伝地図との関係
<14.2節>遺伝的マーカーと連鎖解析について
議論点:
「組換え価に男女の差が出来るのは何故なのか」
「組換えの数が女性の方が多い生物学的意義とは」
なぜ男女差が生まれるのか
-組換えにより男女差が生まれるメカニズム(仮説)
-交差をサポートするタンパク質 or RNAが存在
-量の問題か、分布の問題か
-分布なら時期毎のタンパク質の分布を調べれば分かるかも
-性染色体上の遺伝子が操作
-X:男女ともにある
-Y:男性しかない
-Y染色体に交差をサポートするタンパク質またはRNAを阻害する要素
-X染色体が2倍あるので交差をサポートするタンパク質も2倍
→X染色体のほうがよりシンプル
-不活性化は体細胞と分裂の段階では条件が違う可能性
-ただし、交差をサポートするタンパク質が全てX染色体上にあるかは疑問
この差に何の意味があるのか
-組換えの男女差の生物学的意義
→偶然?
-交差の利点とは
-大まかにバリエーションを確保するため
-微調整は点変異により行っている
-バリエーションを作る方法の内ではがんになりにくい方
-点変異タンパク質が変わるので有害
-交差は交差が起こる相手による
-交差が大変なら別の方法だったかもしれない
-回数は生物によって違いそう
-環境が激変するほど多くなる
-精母細胞と卵母細胞はゲノム以外にも違いがあるのだろうか
-外界からのシグナルにより組換えが起きるのかもしれない
-男性の場合、端の方に変異が入るように見える
-テロメア等ではないか
-変異が入りにくい仕組みになっているのかもしれない
-全体ではどうなっているのだろう
-その方がバリエーションが増えるのかもしれない
-染色体の位置に性差はあるのだろうか
「個人内でも個人間でも交差数にはばらつきが見られるが、交差数を決定する要因とは何か」という議論点とも関連が深そう
その他の議論点:
<遺伝的マーカー>
・遺伝的マーカーは血液型から始まり、現在SNPが主に使われているが、新たな手法としては何が考えられるか
<ホットスポット>
・ヒトのホットスポットはチンパンジーではホットスポットではないが、他の生物についてはどうか
・ホットスポットとなる配列はどのようなものなのか
<遺伝地図作製の方法>
・組換え価を用いた遺伝地図作製よりも良い方法は存在するのか
<用語の定義>
・cMという概念の必要性とは
<交差の数の違い>
・個人内でも個人間でも交差数にはばらつきが見られるが、交差数を決定する要因とは何か
まとめ:
遺伝的マッピングにおける組換えや遺伝的マーカーを用いた連鎖解析に関する節でした。議論点となった組換えの男女差については、多方面に話が広がっていき勉強になりました。