MBCセミナー 7-4: 専門化した細胞を作り出す分子遺伝機構

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担当:沼倉
参加者:9名

節の概要:
・DNAは細胞で共通であるが,遺伝子をオン・オフする調節機構があるために細胞の専門化がなされる.さらに遺伝子調節を細胞に記憶させる機構があるために,専門化した細胞ができる(分化).この機構について,正・負のフィードバックなどの制御回路の組み合わせによる説明と具体例の紹介を行う.
・次に,このような遺伝子調節機構が次の世代に継承される機構(エピゲノム)について,特にDNAのメチル化を中心に説明を行う.

議論した点:
1. 環境が同じであれば,発現は同じ?
・一卵性双子の例では,ゲノムが同じでも環境とエピゲノムの違いが2人の違いを生んだと説明されている.
・では,ゲノムが違っていても,環境・エピゲノムが同じであれば,発現や表現型は似るのか?
  - 環境という後天的要因が,遺伝子発現にどのくらい影響を与えるか
   - 環境→発現量の変化→表現型の変化
  - とくに,エピジェネティックな変化で発現を変化さているのか.
   - 環境→エピゲノム→発現量の変化→表現型の変化

2. 生殖細胞特異なgeneはCpGになる?
・CpGアイランドは,生殖細胞中でも発現する遺伝子がメチル化を免れているためにできていると説明されている.
・では,生殖細胞特異なgeneはみなCpGになる?
  - 精子特異に発現するgeneは多い.
  - 精子はインプリンティングのところで説明されているように,メチル化を受けている.
   - 生殖細胞特異ではなく,卵細胞特異なgeneがCpGになるということでよい?

他の議論点:

・細菌ではDNAをダイナミックに変えて(逆位など)で発現調節を行う
 →タンパク質による調節のほうが楽では?
・逆にタンパク質による調節よりも,DNAをダイナミックに変える方が安定な気がする
 →多細胞生物ではなぜタンパク質で調節?
・メチル化はシトシンだけ?
・ほ乳類ではX染色体不活性は1つの染色体を全部.他種では両方を1/2.
 →両方を1/2の方が有利では?
・iPSについて
・生物の回路で,クロックにあたるものは?

合宿2012

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今年も合宿を行いました。(11/24〜11/25)

場所は山形県の蔵王温泉の「みはらしの宿 故郷」という、蔵王温泉の高台の方にある宿です。

蔵王温泉に到着後は各自で昼食をとりました。
私たちのグループはジンギスカンを食べに行きました。

食後はお店の前の足湯につかって一休み。強酸性の温泉らしく、汚れた十円玉にお湯をかけたらキレイになっていました。

その後おのおの温泉に入ったり神社を見たりと温泉街をブラブラしてから宿に集合しました。

宿での夕食。ステーキやローストビーフ、菊の花など山形の名物を使ったメニューでした。

夕食後はそのままセミナー。今回のテーマも去年に引き続き、「自分の研究以外のこと」です。
途中で休憩を挟んだり、買ったお酒も飲んだりしながら楽しく発表を行いました。

みなさま、発表お疲れ様でした。

二日目は八時朝食という過酷なスケジュールから始まりました。

朝食の風景。寝不足なのは私だけではなかったはずです。

朝食の後はロープウェイで山の上へ。ドッコ沼、不動滝へと行ってきました。

だいぶ険しい道のりでしたが、とても綺麗な景色を見ることができました。昔はここで滝行なんかも行っていたのかもしれませんね。

その後、温泉街でお昼を食べて仙台に帰りました。
みなさま、合宿お疲れ様でした。

−−−−
いろいろあってバイクで来た人もいるのですが、すごい寒くて大変だったらしいです。
今度蔵王に行かれる方はぜひ車か電車で行ってみてください。

写真提供:大林さん、岡村さん、田高さん
文責:中村(B4)

駅伝大会2012

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駅伝大会がありました。
2012年11月17日土曜日。
秋も深まり尽くした時分に開催された
「第48回 電気・情報系駅伝大会」。
昨年は15位に涙をのんだものの、今年は違う。
B4期待のホープ・齊藤の獲得。
ポスドク,M2のマラソンガチ勢の引退。
…今年を逃したら後はない。
絶対目標は、「10位以内入賞」。
ということで、駅伝スタート☆彡
ちなみに今年の木下・大林研のチーム名は「ネコゲノム」でした。
<第1走者:平谷圭>(中央左)
今年引退の平谷さん。
大学最後のレースということで、気合い入ってます。
<第2走者:山岸潤也>
4Fからの黄金の助っ人・山岸さん。
全力疾走、ありがとうございました!
<第3走者:浅見修佑> (赤服)
⬆ おい、どこ見てんだ!w
⬆ ちょ、おまw

赤い服に身を包み、気合い十分の浅見。
だがしかし、ここでまさかのアクシデント!!
2走の山岸さんを見失い、たすきの受け渡しに失敗…。
どうなる、チーム「ネコゲノム」!?

/* おまけ */
<別働隊の田高さん、幸平さん、城田さん>
3人は今回、中尾研との合同チームでの参加でした。

田高さんは前日、中尾研から突然のオファーを受けての参戦。
ぶっつけ本番ガチバトル、おつかれさまでした!

<第4走者:大林武>
no image
レースに戻っていきましょう。
マラソンガチ勢の一人・大林さん。
仙台国際ハーフマラソンに出場するほどの実力の持ち主です。
<第5走者:土多隆雄>
なんだかんだ、結局スタメンで走ってくれました。
なんだかんだ、練習も人一倍真剣に取り組んでいました。
<第6走者:岡村容伸> 
マラソンとかをする人だとは思っていませんでした。
スミマセン!
来年も頑張って下さい!



<第7走者:中村篤大>
no image
駅伝大会以来、マラソンに目覚めた様子。
来年に向けて、彼は今(12月6日)もマラソンの練習をしています。
<第8走者:笠原浩太
ポスドク系マラソンランナー・笠原さん。
あくまでポスドク系。
写真ではよく見えませんが、5本指シューズで走ってます。
<第9走者:伊藤聡史
木下・大林研 駅伝監督の伊藤さん。
練習では皆を引っ張っていってくれました。

さて、そろそろ順位が気になってきたところ…。

/* おまけ */
<駅伝監督就任式の様子>
木下・大林研究室 第二代 駅伝監督は伊藤さんと相成りました。
心よりお慶び申し上げます。
<第10走者:齊藤俊幸
いよいよもって、アンカーは期待のホープ・齊藤。
周りにいる研究室のメンバーを敵と勘違いし、ラストスパートをかけます。
(・ω<) てへぺろ
そして、今ゴール!!

さあ、勝負の行方は!?

第十位!!!
おめでとう!!!
ありがとう!!! 

タイムは「61:12:00」でした。

ボスもこの結果にご満悦の様子。
そして閉会式。
表彰状どーん。

副賞どーん。
さあ、ここからは毎年恒例おでんタイムです。
今年のおでん番長は田高さんでした。
ありがとうございました!
いきなり美味しかったです!

最後に記念撮影。
みなさま、大変おつかれさまでした。
それでは、また来年。
・写真提供:木下先生,大林さん,平谷さん,田高さん,幸平さん
・文責:藤原脩

MBCセミナー 7-1: 遺伝子調節の概観

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担当:藤原
参加者:11名

節の概要:多細胞生物にはさまざまな種類の細胞が存在し、構造・機能が大きく異なっている。それらの細胞のDNA配列は同じであるが、遺伝子の発現パターンの違いにより構造・機能に差異が生じる。


議論した点:

・ゲノム再編によって分化を行う生物はなぜいないのか (Fig. 7-2)
 - 直感的にはゲノムが変化してもよいのでは
  - 変化すると不利になる
  - 例) 染色体A -> 生物α,  染色体A’ -> 生物β
 - 免疫系には存在
  - 同一ゲノムからゲノム再編により多種のB細胞ができる
  - 不可逆な過程 = 確実性?
  - 再編はランダム?
 - 分化した組織は戻れない
  = 動物
  ≠ 植物


他の議論点:
・遺伝子発現の調節に関して (Fig. 7-5)
 - 調節機構を進化の過程でどのように獲得したか
 - 調節を行う段階数を減らせないか
 - 転写調節が重要ではない遺伝子にはどのようなものがあるか
 - 転写調節と他の調節の割合
 - 転写調節と他の調節はどれくらい協調して働くのか
・タンパク質の発現解析に関して (Fig. 7-4)
 - 実験方法の詳細
 - 細胞種ではなく生物種で比較するとどれくらい違うのか
・細胞の遺伝子調節に関して (Fig. 7-1)
 - ニューロンのような大きな細胞ではどうやって遺伝子調節を行っているのか

MBCセミナー7-2:遺伝子調節に働くタンパク質のDNA結合モチーフ

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担当:伊藤
参加者:11名

節の概要:遺伝子調節タンパクは、DNA二重らせんの特定の短い塩基配列を識別し、たくさんの遺伝子の中から細胞内でどれを転写するかを決める。遺伝子調節タンパクの多くはホモ二量体またはヘテロ二量体としてDNAに結合する。今ではこれらのタンパク質の研究に利用できる強力な技術が開発されている。



議論した点:

   1.遺伝子調節タンパクが三量体化以上になることはないのか?

  • 三量体だと丸くなってしまう
  • 縦に並ぶには足場タンパクが必要
  • 3つ合わさるのは大変
  • 強く結合しすぎると困る?→分解すれば良い

  2.転写因子である構造的要求は何か?

  • 構造を見ればわかる?→丸いのは転写因子でなさそう
  • +電荷が必要
  • 立体構造から識別配列を予測できないのか
    • 構造変化するから難しい

他の議論点:

  • αヘリックスとβシートで結合する配列にどんな違いがあるのか
  • タンパク質で塩基配列を識別できるのにリボソームではなぜRNAを使うのか
  • 小さい溝に変異が入った時の識別率
  • 遺伝子調節タンパクと結合モチーフはどちらが先にできたか
  • 似ている遺伝子調節タンパクは似た配列を識別するのか
  • RNAで遺伝子調節をすればよいのではないか
  • 転写のときもらせんを開かなくてもいいのではないか
  • なぜ小さな溝を識別するのか