まとめ
ヒトの環境改変能力により、世界は変わりつつである。もしヒトがいなければ、他の種がこのニッチを埋めるはずである。
担当:安澤
参加者:8人
ノンカロリー人工甘味料と腸内微生物相の変化および代謝異常との関連が認められ、人工甘味料の大量使用には再評価が必要であろう。
データから迅速な安全性評価をすることは可能か
○今回の場合
人工甘味料の摂取→腸内細菌の構成や機能の変化→グルコース不耐性の発現
○安全性の検証実験に時間がかかる理由
→短期間蓄積したデータから長期間の予測はできるだろうか?
○ある物質が生体に与える影響の予測と安全性評価
「ある物質の蓄積しやすさのデータ」があれば代謝経路のデータから予測できそう
→現状では定量的な予測をすることが難しい
食品添加物などの安全性をデータから迅速に判断しようとした時、長期的な影響をどう予測するか、生体内の現象を定量的に予測できるかという問題に直面すると考えられる。生体に影響を与える物質についての情報の蓄積や、より分子生物学的でリアルタイムなモニタリング技術、生体内の現象を定量的に扱えるモデルの登場が待たれる。
担当:池野
参加者:8名
論文:http://www.nature.com/nature/journal/v513/n7516/full/nature13695.html
担当:小澤
参加者:8名
概要:
テナガザルのゲノム解析から,種特有トランスポゾンがもつゲノム可塑性を示唆
議論:
系統樹の正当性の考え方
過去は,表現型から系統樹を考えていた
今は,遺伝型から系統樹を定量的に考えることができる
2つの系統樹の間に生まれるギャップをどのように解釈するか
そもそも系統樹とは?
・利用目的によって作り方が違う 使用する種
祖先の種や年代の推定が可能
・主に最尤法によって計算される
・計算の上で,知識による定義が使われる(分子時計など)
・有根と無根の2種類がある (起源がわかるかどうか)
昔は,表現型から,感覚的な区分しかできなかった
遺伝型からの推測が可能になり,(系統樹内の)葉がもつ配列の進化の歴史が見える
– その上で,変化に対する解釈には,地理的変動などの過去の背景知識が必要
– 最尤法による計算のため,偶発的な同座位への変異経過が見えなくなってしまう
-> 遺伝型の違いを見るのには問題はないが,進化プロセスを見る点では問題がある
担当:寺嶋
参加者:9名
本文:http://www.nature.com/nature/journal/v513/n7516/full/nature13708.html
概要:
初期の陸生四足動物に近い種であるポリプテルス・セネガルスを湿地で飼育することで、古代の初期の陸生四足動物と類似の胸帯の変化を確認。この結果より、発生可塑性と魚の陸生化の関係が明らかになった。
議論点:
「両生類の利点とは」
– 乾燥に弱く、水が無いとダメ
- 水を得られないリスクがあるにも関わらず陸へ適応する意味
- エサの確保
- 逃げるときに有利
- 一部の生物は陸上に卵を産める
- 水中の外敵からは守ることが出来る
- 多様性は高いが、結局は水がいる
- 水場と水場の間を長距離移動できる
- 多少水が少なくなっても対処できる
– 幼生のときにはエラ、変態して肺が出来る
- 水中の方が エサの確保が容易
- 自分よりも弱い生物がいろいろいる
- 運動能力があまりいらない
- 水中なら浮いているだけでもいい
- エネルギー消費が少ない
- 単純なので省エネルギー
- 途中で変態するのが単純かどうかは不明
– 他の種との比較
- vs 爬虫類
- エサの確保できる範囲が広い
- 逃げられる場所が多い
- vs 魚類
- 水を求めて長距離移動できる
– 進化するとしたら?
- 乾燥に強くなる
- 水中で生まれて変態する時点で難しそう
- 海へ進出
- 気水域には既にいる
- 化石からは昔はいたらしい
まとめ:
水生から陸生への変化の話題でしたが議論点は両生類についてでした。両生類は進化の途中で残っているだけという説もあり、今後の絶滅しそうとのことなので、環境の保護は大事だなと思いました。
担当:小舘
参加者:9名
リンク:http://www.nature.com/nature/podcast/index-2014-08-21.html
概要:
南極の氷の下に存在する液体の水を直接採取したこと、その微生物学的解析を初めて行ったことについて述べられている。
議題:環境と生物多様性との関係
→厳しい環境に置かれると、生物の多様性はどうなるのか?
★話題1:環境の厳しさと多様性に関係はあるか
●厳しさ=選択圧の強さ だろう
→厳しくなるほど多様ではなくなるのでは?
●厳しくなるプロセスが大事?
・だんだん厳しくなっていく:適応していって多様になる
・一気に厳しくなる:(少なくとも一時的に)多様性はなくなる
●カンブリア爆発:一気に多様化?
・(仮説)目が出来たことによる(それさえあればよい)
★話題2:どういう条件が効いてくるか
●環境の厳しさ ⇔ そこでの生き方(ニッチ)の少なさ
→多いほど多様化
●安定には生き残らない→多様化
●今回の解析:約4,000種の細菌・古細菌
・栄養乏しい
・太陽光届かない
・炭素成分を食べて生きている
(4,000という数字は大きいのか小さいのか?)
●そこに適応するなにかがあれば多様化?
●栄養源からの距離が効くのでは?
まとめ:
南極氷底湖という非常に厳しい環境の生態系という話題から、環境の厳しさと生物との関係という議題が出た。他の厳しい環境下での生態系も調べて比較すると面白そうである。
担当:水谷
参加者:7名
リンク:http://www.nature.com/nature/podcast/index-2014-08-14.html
概要:
議題:「地震は遺伝子に影響を与えるか」
◯地震が異常行動を引き起こすか?
・地震が死ぬことにつながれば,生物は恐怖を覚える=遺伝子に影響を与えるのでは
→生物が地震で死ぬ場合を考えてみよう
◯地震で生物は死ぬのか
・人間:死んでしまう
・他の生物:鳥は飛べばよいし,陸上のにもあまり影響はない
→ 地震というより地震による津波の影響のほうが大きいのでは?
→ 恐怖を覚える天変地異について考えてみる
◯天変地異による選択圧(恐怖を覚える原因)
◯微弱な地震が遺伝子に与える影響
担当:佐藤(SS)
参加者:7名
概要:
有機合成は研究者の手による職人芸的プロセスを経て行われる。このプロセスを自動化することで効率的かつ高速・安価な有機合成が可能となる。
議論元「Organic synthesis: The robo-chemist」
http://www.nature.com/news/organic-synthesis-the-robo-chemist-1.15661
議題:「有機合成自動化による影響」
◯合成マシンとはどんなものなのだろうか
大きさは?
おそらく生産量に比例して装置は大きくなる
ちょっと作るくらいなら3Dプリンタのように手軽なものになるかもしれない
少なくとも研究室に収まるくらいにはスリム
操作性は?
素人が扱えるか・・・No ある程度の化学の知識は必要だろう
入力がどのようなものかわからない
合成マシンは生産面ではなく、新しい化合物や反応経路を模索する目的を想定している
ーーーーーーーーーー自動合成マシンが満たすべき3つの条件ーーーーーーーーーー
①データベースへのアクセス
反応や分子の情報が集まったデータベースにアクセスし情報を得ることができる
②合成経路を導くアルゴリズム
チェスのコンピュータが考えるように幾つもの経路を考えて最適なものを選択する
③実際の反応を行う
①、②を満たした上で実際に合成を行い、化合物を作る
◯現状
1つの作業を繰り返すような単純な工程は自動化できている
ex)DNA合成機、ポリペプチド合成機
◇現状考えられる影響
・自然環境への影響(環境汚染)
人工的に作られた化学物質は自然界に影響を与えている可能性が高い
・人(人間社会)への影響
化学物質の悪用(サリン事件など)、環境汚染は人にも悪い影響がある
◯自動化装置が完成した未来
合成はより ”安価” で、 ”はやく” なる
◇考えられる影響
・プラスな影響
生産コストが下がる
更に効率的な合成経路が見つかるかもしれない
経済性や保存性の低いものをつくりやすくなる(例えば難病の治療薬)
・マイナスな影響
未知の物質を作りやすくなる一方で、それらが環境に及ぼす影響は未知数
手軽な装置であれば個人での利用が可能になり、テロの道具とも成りうる
まとめ:
合成マシンが及ぼす影響は正負のどちらの面も持ち合わせているだろう。負の影響は具体性にかけたが、正の影響はいくつか例があがった。正の影響として、創薬はインパクトがありそう。合成マシン自体が具体的にどのようなものか、想像しにくかったがそれこそ3Dプリンタのように手軽なものであれば面白そうである。