HMGセミナー 第5章:発生の仕組み(後半)

標準

担当:齊藤俊幸
参加者:13名
教科書:ヒトの分子遺伝学
節の概要:
<5.5節>受精から原腸陥入までのヒトの発生について述べられている
<5.6節>原腸陥入後の神経系の初期発生について述べられている
<5.7節>ほ乳類における生殖細胞と性決定について述べられている
<5.8節>生物種間での発生過程の保存性について述べられている
議論点:
「胎盤を形成するときに、親子間で遺伝子が異なるという問題をどう解決しているのか」

ー胎盤の形成は一部は胎児由来で、一部は母体由来で作られる。
 しかし、親子間ではゲノムが異なるため、免疫が働きそうだと想像する。
 ー母体と作用するので、免疫系のチェックを受けないことは不可能である。
  ー母親にも子供の遺伝子が混じる
 ーゲノムの半分が同じことがきいている?
  ー代理母出産も可能である
   ー代理母出産と通常の出産にはどのような違いがあるのか
 ー親子間での免疫のやり取りは?
  ー親と子の間でT細胞を通さないバリアーは存在する
  ー親から子へ免疫系を渡している(卵に免疫系は内)
 ー免疫系を緩和している?
  ーヒトに対してのみ緩和?
  ー全体的に緩和?
 ー母体と異なる生物種の子供を産ませる実験
  ーヒトにネアンデルタール人の子供
  ー象にマンモスの子供
  ーマグロにサバの子供
 ー遺伝子の違いをそれほど気にしないようなシステムにしている?


その他の議論点:
・ほ乳類の初期胚細胞のうち、成体細胞になるのがその一部のみである理由
・卵の大きさは何によって決まるのか
・ほ乳類が回転卵割を行なう理由
・一卵性双生児のでき方による胎児の違いはあるのか
・ほ乳類とモデル生物の初期発生の違いによるメリット、デメリット
・受精時に性が決定するのに、胚が両能性を持つ理由
・原腸陥入はなぜ短期間で起きるのか
・着床の時に胚の向きは制御されているのか?

・環境による分化と細胞系譜による分化の切り替えはどうなっているのか
・ニューロンの分化の過程でどの程度個人差があるのか

・経路は保存されているが、役割が生物種で異なる経路はどのようなものか

まとめ:
母体と胎児のゲノムの違いをどう解決するかという問題に対して
様々な意見がだされ、そのなかで母親と異なる種の子供を生むような実験が
なされているという話がありました。
母体においてゲノムの違いの判別を緩めるようなシステムがありそうだと
想像しますが、それがどのようなシステムであるのか気になります。