担当:安澤
参加者:8人
概要
ノンカロリー人工甘味料と腸内微生物相の変化および代謝異常との関連が認められ、人工甘味料の大量使用には再評価が必要であろう。
議論
データから迅速な安全性評価をすることは可能か
○今回の場合
人工甘味料の摂取→腸内細菌の構成や機能の変化→グルコース不耐性の発現
- 宿主(マウス・ヒト)と細菌両方の代謝パスウェイ情報が必要そう
○安全性の検証実験に時間がかかる理由
- 蓄積しないと影響が出ない
- 蓄積により影響が出るもの:塩基配列の変異・代謝されない物質
- マウス(実験動物)とヒトの類似性の限界
- マウスで安全でもヒトで安全とは限らない
- 食品添加物の試験はどのように行われているのだろうか
→短期間蓄積したデータから長期間の予測はできるだろうか?
- 難しい、本質的には不可能。
- 増加量(変化量)を一定と仮定して予測
- ある物質が蓄積されるかどうか(長期間の影響を与えうるか)の評価はある程度できそう
- ”予測不可能割合”の導出
- 情報量を稼ぐ
- 体内の常時モニタリング
- (既に添加物などが一般化している場合は)多くのサンプルを採る
○ある物質が生体に与える影響の予測と安全性評価
「ある物質の蓄積しやすさのデータ」があれば代謝経路のデータから予測できそう
- 「安全」を恒常性(ホメオスタシス)が維持できると考えるなら…
- 蓄積する物質という摂動があった時に、
- 代謝パスウェイがどのように変化するか、アウトプットはどうなるかを予測
- 予測のレベル
- 発現量が変化した場合どうなるか
- 他の遺伝子などの要因が追加で関わってきた場合どうなるか
→現状では定量的な予測をすることが難しい
- 安全でない場合は説明しやすいが安全を担保するのは難しい
まとめ
食品添加物などの安全性をデータから迅速に判断しようとした時、長期的な影響をどう予測するか、生体内の現象を定量的に予測できるかという問題に直面すると考えられる。生体に影響を与える物質についての情報の蓄積や、より分子生物学的でリアルタイムなモニタリング技術、生体内の現象を定量的に扱えるモデルの登場が待たれる。